こんにちは、水前寺江津湖公園です。
今の園内、サザンカなど冬からの花も見受けられます。
その中で、普段あまり意識しそうにないけれども、夏にビワの実として取り上げたビワが花を咲かせており、なかなかキレイです。
白い蕾のような可愛らしい花が魅力的です。
江津塘にひっそりと咲くこの花を、下江津湖の風景とともにお楽しみ頂ければ幸いです。
そういえば、中村汀女は次のように詠っています。
「人影のあとの供華清し枇杷の花」
そういえば、ビワの木は、色々な伝承の中では凶をもたらす木として、家の庭に植えることを忌まれていたこともあるそうですが、
曰く、常緑であり鬱蒼とするから、
曰く、実に薬効があるからこそ持ち主の家が盗賊に狙われる、
曰く、人知の及ばない神秘的な効能を持つから人の家の庭に植えるには身の丈に合わない、等々・・・
汀女は、そんなビワの印象を、可憐な花を通してより人情に近づけるために、颯爽とした葬儀の風景の中で詠んだのかもしれません・・・この俳句は一木の花に捧げられた優しさを感じさせてくれます。