こんにちは、水前寺江津湖公園です。
一見、なにかと殺風景な冬ですが、何気なくテーマを定めてぷらぷらすると、興味深い物も見えてくるもの。
たとえば、寒空の下、赤い実を探してみるとか・・・。
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まず背の高い木を見上げると、シロダモ、モチノキ、ナナミノキ、タラヨウが赤い実を付けているのを見つけます。
少し視線を下げると、先の12月イベントでおなじみのセイヨウヒイラギ、クロガネモチ、そしてマユミ。
地面に置かれたこれらの実を目当てに鳥がやってきましたのでそちらに目を移すと、ナンテン、マサキ、マンリョウが見つかります。
歩きつつ園路際の茂みを見ると、ノイバラが。肩こり解消のために空を見上げると、枝を巻くツルウメモドキが。
一色のようですが、赤、紅、朱、橙と微妙な違いが楽しめ、冬であることを忘れさせてくれます。
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今回眺めた、秋から冬にかけて結実する植物・・・偶然でしょうが、調べてみると、古来より人が大いに活用してきた種類だったようです。
まずシロダモからは精油が取れ、
モチノキ、クロガネモチの樹皮からは鳥もちが作られ、
ナナミノキの葉や樹皮は染料や止血剤として、
タラヨウの葉は、はがきや健康茶として、
マユミの木材が弓や紙になり、
ナンテンの葉、ノイバラの果実は薬用として、
マンリョウ、ツルウメモドキは縁起ものとして。
純粋な庭木としては、マサキくらいのもの。
冬の赤い実からここまでの連想で、植物の営みは人間の歴史と離れないものなんだなあと、しみじみ感じ入ることができます。おそらくこのような例が、公園にはまだまだ眠っているはず。
防寒対策が万全であれば、冬の散歩も大変お勧めです。
古の記憶を呼び起こしに、どうぞ水前寺江津湖公園をごひいきによろしくお願いいたします。